改正物流総合効率化法の成立による共配の加速
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5月2日に改正物流総合効率化法という企業間提携を促進する法が施行した。
複数社が1台のトラックを共同利用すれば経費の一部を補助したり新設倉庫の固定資産税を減免したりする。
物流企業の提携に政府が介入するのは、経済の血管を担う物流が「このままでは持たなくなる」(国土交通省)とみているためである。
以下は新聞記事。 2016/5/3付日本経済新聞 朝刊
ヤマト 日本郵便、組めるか 共同配送、国が旗振る新法成立 深刻な人手不足「協調必要」
東京都多摩地域のヤマト運輸多摩支店。荷さばき場の棚に4月末、「佐川急便」「日本郵便」の看板が掲げられた。ここでは3社の荷物を一括して引き受ける。黒猫の制服を着た配達員が日本郵便の荷物も届ける。住宅街での共同配送は初めて。
インターネット通販が普及し、宅配便の取扱個数は14年度に約36億個と5年前より15%増えた。一方、トラックなど自動車運転手の有効求人倍率は15年度に2倍を超えた。運転手不足でトラックを効率的に動かせないケースも少なくない。
さらに「(一定額以上は)送料無料」を売り物にするネット通販企業からの値引き要請は強まる。ヤマトの荷物単価は15年に595円と05年より1割低下。運ぶ荷物は増えたのに16年3月期の連結営業利益は685億円で10年前と同水準だ。
宅配便は大手3社でシェアを分け合う。自社で配送しているが、一部を6万3000社あるトラック事業者に任せている。下請け事業者は複数の宅配便大手から請け負う場合でも使うトラックは別々にしていた。オーナー系企業が多く再編も進んでいない。効率的とはいえない運営で6割が営業赤字に苦しむ。
共同配送にはこうした苦境を打破する狙いが込められているが、広げるにはハードルがある。宅配便大手はきめ細かい配送時間の指定サービスなどで他社に先行し、ネット通販などの大口取引先をつかまえようとしてきた。「配送時間を守るには他社の都合に合わせられない」(物流幹部)といったジレンマがある。何をいつどうやって運ぶのかという情報が漏れることへの懸念も強い。
商品をもっと早く安く欲しいという消費者ニーズはこれからも高まるだろう。ヤマトの長尾裕社長は「各社が補完してサービスをつくる思想が必要」と話す。ヤマトと日本郵便でも助け合えるところは助け合う。競争と協調を両立させる知恵がそろそろ必要だ。